宮城県産伊達冠の自然石のお墓を建立。お好きだった京都をイメージし、自然な風合いと調和させたお墓

ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。宇都宮市・真岡市・鹿沼市・さくら市を中心とした栃木県の地域密着店として、お墓や石材のお仕事をさせていただいております、みのわ石材店です。これからこちらのブログで、当社やお墓の情報、施工の様子など、様々な事を発信して参りたいと思います。よろしくお願いいたします！

初回の今回は、宮城県産伊達冠の自然石のお墓をご紹介いたします。

 

宇都宮市雀の宮 寺院墓地　墓石：宮城県産伊達冠　外柵：錆石御影

 

お世話になっているお寺様から、お墓の建立をご希望の方がいらっしゃるとお声かけいただきました。現地でお会いしてお話をすると、亡くなられたおじい様のためのお墓を建立したいということでした。

 

こちらがお墓を建立される場所です。お墓については、背が低い洋型のお墓がいいかなとおっしゃっていましたので、ご一緒にお寺様の墓地内にある洋型のお墓を見て回りましたが、こちらの墓地には洋型のお墓が少なかったこともあって、お客様のイメージにぴったりのものが見つかりませんでした。そこでお客様とお話しして、近くの霊園へいって行ってみることにしました。車で15分ほどの霊園までご案内してご一緒に色々な洋型墓を見て回る中で、「おじいちゃん、こういうのが好きなんじゃないかな？」と気に入っていただけたのが、宮城県産の伊達冠石でした。

そこで、伊達冠石を墓石にして、他にうかがったご希望をもとにひとまずのイメージを作成してご覧いただくことになりました。シックなイメージのもの、絵柄の違うものなど、２通りのパターンをご用意して見ていただくと、「どっちも良くて決めがたいなあ」と悩まれて、最終的には両方の案を合わせたようなデザインで建立することになりました。

 

工事が始まっています。基礎工事のあと、外柵・カロート（納骨室）の据え付けを進めています。写真は、カロートの石組みが終わり、これから内部に金具を取り付けてしっかり固定するところです。しっかり安定するよう、カロートの壁石もしっかりとした厚みのあるものを使用しています。

 

カロートの壁石の据え付けが終わり、お墓手前の敷石部分の貼り石を行います。カロートは、このあと上に天井となる天板を設置して、手前には蓋石を取り付けます。

カロートの上にお墓本体や花立て・香炉を設置、入口近くに灯籠を設置したら完成です。

 

完成しました！

自然石の伊達冠石の墓石に、京都をイメージした絵柄が添えられた、印象的なお墓に仕上がりました。お客様からは、おじい様がとてもお好きだった京都をイメージしたお墓にしたいというご希望をいただいていましたので、設計の段階からお墓全体に気を配りました。

 

自然石の伊達冠石の墓石です。ツヤのある黒っぽい部分と、ゴツゴツした赤みのある部分があります。同じ伊達冠石を磨いて仕上げたのが黒い部分、自然の風合いを残してあえて磨かずに仕上げたのが赤みのある部分です。自然な赤みのある部分を専門的には「皮目」といい、この皮目の部分が多く見えるような形で加工しました。磨いた面を前面にするケースも多いのですが、今回はあえて、パッと見て自然な風合いをより感じられるように仕上げています。

また、墓誌などのお墓周りに設置するものは、通常の形ではお墓全体の京都風のイメージを損なってしまうかもしれないと考えて、よりご希望に近づけるため、石碑の後ろの屏風を墓誌とすることにしました。写真では少し見づらいですが、右端にご戒名などを彫刻できるようになっています。また、形も京都の山に見立てて丸みを付けています。うまく京都感を表現できていると思います^^

 

外柵と踏み石、カロート下部です。上の墓石が自然石なので、このあたりもそれに合わせました。かといって全面を磨かずに仕上げると汚れが付きやすくなってしまいますので、全体に自然な趣のある風合いの錆石御影を使用することで調和するようにし、カロートの天板の前面にはコブ出し加工をしてゴツゴツした自然な風合いを出しています。

納骨扉には、京都の五重塔、おじい様が大切にされていた紅葉の葉を彫刻しています。お客様のご希望で、こちらで図案をご提案して採用していただけました。また、右手前には、織部型風の灯籠を設置しました。これがあることでさらに京都感が増していますね！必要な時には実際に火を灯していただくこともできます。

 

お客様のご自宅のお庭にはたくさんの草花や植栽があり、亡くなったおじい様はいつも大切に手入れをされていたそうです。紅葉の木のこともご家族に託しておられたと伺っていましたので、草花や自然のものがとてもお好きだったのだなあと感じていました。もともと自然石を使用したお墓ですが、より自然を感じられるような、お参りに来られた方の目にパッと飛び込んでくるような、そんなイメージをご提案してお客様にも気に入っていただくことができました。

お墓が完成し、ご納骨のお手伝いもさせていただきました。イメージ通りだったととても喜んでくださって、「親族にもこれはおじいちゃんが気に入るだろうねと褒められました！ありがとうございました」と、後日わざわざお電話をくださいました^^ ありがとうございました。

近年は、伝統的な形のお墓から、自由にデザインできるお墓まで、色々なお墓が建てられるようになりました。家のものというイメージが強いお墓に、個人的な要素が多いことを気にされる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、お墓に眠る方が喜んでくださるようにとご家族皆様や私ども石屋も含めて皆で知恵を出し合って造り上げたお墓は、ご家族の皆様にもとても喜んでいただけますし、それが亡くなられた方へのご供養にもなるのではないかと思っております。これからも、お客様のお気持ちに寄り添い、できる限りのお手伝いができるように努めてまいります。