思い入れのある外柵の一部を活用したお墓を建立。宇都宮市寺院墓地

宇都宮市・真岡市・鹿沼市・さくら市を中心にお墓や石材のお仕事をさせていただいております、みのわ石材店です。宇都宮市のお寺様墓地にて、既存の外柵の一部を活用したお墓を建立させていただきましたので、ご紹介いたします!

 

宇都宮市寺院墓地 インドYKD・G623

 

お寺様からお墓の建立をお考えのお客様をご紹介いただきました。ご相談いただいた際、お客様は宇都宮市内の他の霊園さんに外柵まで作成されていました。

 

宇都宮市の花園霊園に作られていた外柵です。亡くなられたお父様が作られていたそうです。こちらの霊園はお住まいからもそれほど遠くはないものの、お住まいのところからすぐ近くにあってよりお参りがしやすいお寺様墓地にお墓を建てたいとご希望でした。そこでこちらの外柵は、外柵のみですがお墓じまいをすることになりました。通常民間の霊園やお寺様は工事に入る石材店等が決まっていることも多いですが、花園霊園さんはお墓じまいに関しては当社でも工事をすることが可能です。

 

工事をするにあたりお客様から、「外柵の一部を使えないか」とご相談がありました。お父様が作られたものですので、可能なら使いたいという思いをお持ちだったようです。ただ、お墓を建立するお寺様の敷地はこのお墓ほどの広さはありませんので、外柵の部材をそのまま使用することはできません。

それでもなんとか一部を使うことができないかとお墓を拝見して考えて、入り口の門柱の一部を加工して石碑などに使用する方法をご提案しました。写真で家紋が彫刻されている入り口横の門柱です。図面を作成して見ていただくと気に入っていただけて、工事をお任せいただくことになりました。

 

まずは、外柵のお墓じまい工事から開始です。再利用する門柱を取り外して、工場へ持ち帰ります。その後全体の解体を進め、根石を吊り上げているところです。基礎のコンクリートなども解体して搬出していきます。

 

取り外した石材やコンクリート片です。かなりの量になりました。

 

すべての解体・搬出を終えて、お墓じまい工事が完了です。その後、持ち帰った門柱に必要な加工を施して、お墓が完成しました。

 

完成したお墓です!

既存の門柱は加工して、石碑と納骨室の蓋石に使用しました。石碑の頭の形状や蓋石にある家紋が、お父様が作られた外柵の名残を少しだけ残していますが、見ただけでは外柵の門柱を再利用したとは分からないのではないでしょうか・・・?

 

石碑に使用した門柱は、汚れやモルタルの接着などをきれいに取り除いて全体に磨き直しを行い、黒御影石のプレートを貼り付けました。その左右の花立部分は新しい石で作成しています。黒い部分はインドのYKDという黒御影石を使用しました。

お墓のデザインは、いくつかパターンをご提案した中から、白と黒のコントラストが良いと選んでいただいたものです。デザインのポイントは、プロの方が見てもこれが門柱だとは分からないように、違和感のないようにした点です。柱の形状をできるだけなくすために、微妙な曲線を持たせて斜めに加工した黒御影石を左右に配置して、お墓の中でも一番目に留まる石碑の一部として、お父様の思いのこもった外柵を残すことができました。

 

正面の文字も色々と検討された結果、最終的には「偲」という字を選ばれました。左上にユリの花を立体彫刻で施しました。文字もユリも色は入っていない素彫りです。濃い色の石なので、彫刻も映えてきれいです。

 

家紋の部分を活かした納骨室の蓋石です。この家紋は、お父様がご生前とても気に入られていたそうです。ご遺骨を納める大切なところで、家紋を入れるのに適した場所でもあり、いつも目に留まる蓋石にそのままの形で残すことができました。

また、コンパクトな墓地でもできるだけ広く使っていただけるように、墓誌は斜めにカットした形状にしました。半円状のベンチは、腰掛けて休めるベンチが欲しいというお母様のご希望を叶えたものです。腰掛けた時にあたりが良いように、丸みを持たせました。コンパクトな墓地ではありますが、お客様のご希望や思いを叶えるためにできる限りのお手伝いをさせていただきました。

 

完成後、ご納骨のお手伝いもさせていただきました。お客様には大変喜んでいただくことができました。お墓が古くなったり、移設したりする際、それを機にすべて作り直すのももちろんひとつの方法です。ただ、今回のようにお父様が残した思い入れのあるものや、これまで大切に家族で守ってきたものなどを一部でも残すことができれば、お参りのたびに故人様や大切にしてきたお墓のことを思い出すことができますし、将来お墓を継いでいく方にもそのお話をされるでしょうから、お墓とともに込められた思いもずっと受け継いでいけるのではないでしょうか?お父様が残された外柵、気に入っておられた家紋も残すことができて、これからお参りに来られるたび、きっと皆様でお父様のことを偲んでいただけると思います。末永く大切にお参りいただけますと嬉しい限りです。何かお困りの際は、いつでもお声かけくださいませ。

単純に再利用といっても今回のように難しいケースもあって、私としても「どうやって活かそう?」と毎回試行錯誤して取り組んでいます。その甲斐あってお客様に喜んでいただけたときは本当にうれしいですし、とてもやりがいを感じるお仕事です^^ 既存のお墓を活かしたリフォームをご検討の方は、一度お気軽にご相談いただければ幸いです。